兵庫県姫路市立中学校の柔道部顧問だった男性教諭(依願退職)が、在任中に部内で発生したいじめ傷害事件で不適切な「いじめ隠し」行為をおこなったとして停職6ヶ月の懲戒処分を受けたことを不服として、兵庫県を相手取り、処分取り消しなどを求めて訴えた訴訟があった。

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教諭は、「暴力でケガをした生徒に対して、加害者から暴行を受けた事実を隠すよう強要した」「加害生徒を、柔道部の主力選手だからとして直後の大会に出場させた」などの行為をおこなったことが問題になっていた。そのほかにも同校が柔道部で全国クラスの成績を修めていた「強豪校」だったことを背景に、不適切な越境通学で全国から有力選手を集めていたことも指摘された。

この訴訟では、二審大阪高裁が教諭側の訴えを認める判決を出していた。しかし兵庫県が最高裁に上告していた。

最高裁第一小法廷で2020年3月19日に口頭弁論がおこなわれた。兵庫県は「二審判決は行為の悪質性の評価を誤っている」と主張した。一方で、元教諭側は「(いじめ隠しの)指示は一時的な判断の誤りだった。懲戒免職の次に重い停職6カ月は異常だ」と訴えたという。

判決期日は2020年4月27日に指定された。

通常の場合、二審判決が見直される際に最高裁での口頭弁論が開かれるとされている。この訴訟でも、二審判決の内容が見直される可能性があるとみられている。

いじめ事件での教諭の行為は、「一時的な判断の誤り」とはとうてい評価できないほどの、極めて悪質かつ故意におこなわれたと判断せざるを得ないようなものである。それらの行為を低く評価した二審判決には疑問を感じている。良い形での判決が出ることを願いたい。
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