鹿児島県出水市立中学校2年だった女子生徒が2011年に自殺し、背景にいじめが指摘されていた問題で、出水市教委は3月30日、「いじめ調査は不十分。再調査をすべき」とした鹿児島県弁護士会からの勧告に対して、直ちに再調査しない考えを示した。

遺族との訴訟が係争中などを理由に挙げているという。

この事件では、生徒が所属していた吹奏楽部でのいじめがあったという疑いが浮上している。遺族側が独自調査したところ、いじめをうかがわせるような状況や証言が複数見つかったとされる。

一方で出水市教育委員会は、遺族が得たのとほぼ同じ内容の情報を校内アンケートなどで把握しているとしながらも、いじめではないと結論づけている。

さらにこの問題では、▼市教委関係者が生徒の自殺について、「事故2週間前に接種した、子宮頸がんワクチンの影響ではないか」など荒唐無稽な中傷発言をおこなう。▼地域で、「『いじめがあったかのようなテレビ報道』やインターネットの書き込みから『二次被害を防ぐ』などとする趣旨のおかしな署名が集められる。▼市議会でも議題になった際、一部の議員は解明を求めていたものの、ほとんどの議員が真相究明に消極的だった。――などの状況も指摘されている。

これらの対応から、弁護士会勧告を経てもなおも変わらない・変われないという方向性に愕然とする。今すぐにでも方針転換し、再調査に踏み出すべきだといえる。
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