山口県岩国市の小学生バレーボールチームで総監督を務めていた男性(67)が、指導中に女子児童を平手打ちしてケガをさせたとして書類送検されていたことがわかった。

事件の経過


『毎日新聞』2020年2月20日付『小5女児の顔を平手打ち バレー元総監督を傷害容疑で書類送検 山口県警』によると、事件の経過は、大筋で以下のようになっているとのこと。

2019年2月3日、総監督は練習試合の合間の指導中に、当時小学校5年だった女子児童を平手打ちするなどした。学校が被害児童の異変に気付いて事情を聴いたことで事案が発覚し、学校から連絡を受けた保護者が2019年5月に山口県警岩国署に被害届を出していた。2020年2月に傷害容疑で書類送検されたという。

また山口県小学校バレーボール連盟も調査し、別の児童をコート外に引きずり出すなどの別件の暴力行為が確認されたとして、2019年6月1日付で総監督を指導禁止1年などの処分にした。

総監督は約14年にわたってチームの指導に携わり、全国大会出場経験もあるという。しかしチームは2019年3月に解散した。

暴力肯定の言い分


総監督は毎日新聞の取材に対して、このように答えたという。
毎日新聞の取材に元総監督は傷害容疑を「やっていない」と否定した。一方、県小連が処分理由とした行為については「ふてくされたプレーをしており、コートの外へ出ろと言ったら反発したから腕を引いてマットに倒した。行き過ぎた指導だったが、体罰や暴力ではない」と主張。「体罰は必要悪。口で言ってできないことは体で覚えさせるしかない。勝つためには愛のムチは必要」と持論も口にした。

「小5女児の顔を平手打ち バレー元総監督を傷害容疑で書類送検 山口県警」 毎日新聞2020年2月20日

このような発言は、「指導」と称して暴力行為をおこなう指導者の言い訳の定番ではある。このようなことを公然と発言するような、時代錯誤の感覚に驚く。

「行き過ぎた指導」「必要悪」「愛のムチ」などでは決してない。指導なら科学的根拠に基づいたり、人権を尊重することが最低限求められる条件である。しかしこんなもの、児童を従わせて支配するという前近代的な発想であり、また感情的になって暴力を振るっているとしか考えられないものである。

こういうことを公然と口にし、また実践できるような前時代的な雰囲気が残っていることが恐ろしい。
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