大阪府教育委員会は2020年6月19日、2021年度の公立高校入試についての変更点を決定した。

試験日については、当初予定していたものからの変更はない。

出題範囲について、新型コロナウイルスで休校が続いていたことで、学習内容の1~2割程度は定着が困難になる可能性があるとして、3年生で学ぶ内容の約2割を出題範囲から除外するとした。

英語では一部の文法事項と英単語、数学では「円周角と中心角」「三平方の定理」「資料の活用」、国語では3年の書写と一部の漢字、理科では「科学技術と人間」「自然と人間」、社会科では公民的分野のうち「経済」「国際」に関する内容の一部が、除外対象となった。

除外対象となる教科書のページ数や英単語一覧・漢字一覧も、発表している。

出題範囲を減少させることは、一つの手段ではある。その一方で、看過できない内容も決定されている。

調査書の評定(いわゆる内申点)に使用する「チャレンジテスト」が中止になったことを受け、その代替として、現3年生が2年時に受けた「チャレンジテスト」の成績を使って評定に反映させるという方針も同時に決めた。

そもそも「チャレンジテスト」という制度自体に、重大な問題と欠陥がある。絶対評価(到達度評価)での各学校・授業担当教員間の評価の偏りを補正するという名目にしている、しかし実際は、「事実上、大阪府全体での相対評価のような形になる」「学校の平均点によって担当教員が成績を付ける範囲を指定されることになって、間接的には学校平均点が個人点にも影響する」「テストを実施しない実技4教科についても、テスト対象の5教科の成績を準用して評定の範囲を指定される」などの問題が指摘されている。1・2年時にも実施することで、事実上の「受験の長期化」にもつながっている。

こんなおかしなテストを「3年時にできなかったから2年時の成績で」と使うなど、おかしいのではないか。
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