新型コロナウイルス問題での休校が長引いたことに伴い、従来の夏休みを短縮して授業をおこなうことになっている兵庫県西宮市では、元々夏休みを予定していた期間には簡易給食を提供することにしている。

しかしメニュー表を見た保護者からは「量が足りないのではないか」という疑問が出た。市議会でも質疑がおこなわれ、市教委側は「再検討している」という見解を示した。

経過


神戸新聞2020年7月8日『「簡易給食」保護者ら不満 栄養面に問題、西宮市教委再検討へ』によると、概略で以下のような経過が紹介されている。

西宮市教育委員会では、市立小中学校の夏休みを8月1日~16日に短縮する。当初夏休みを予定していた7月21日~31日、および8月17日~31日の平日18日間、午前中の授業をおこなう。

小学校ではこの期間中、希望者に対して簡易給食を提供するとしている。西宮市立小学校では自校調理給食を実施しているが、例年夏休み中に実施している給食室の設備更新・点検などに充てることや、調理場にエアコンがなく食中毒や調理員の熱中症のリスクが出ることなどで、大半の学校で給食室が使えないと判断した。

一方で「パン1個と牛乳」を基本とし、ヨーグルト・ゼリー・スライスチーズ・ジャムなどが日替わりで添えられるというメニューでは、栄養的にも不足しているし、量も足りないのではないかとする声が出ている。

西宮市教委では、外注によって惣菜などをもう一品付けることは「アレルギー対応などの観点から難しい」と判断して見送った。その一方で市議会での質疑では「改善を再検討している」とも言及している。

また兵庫県阪神間の各市町では、同様に夏休みを短縮するものの、短縮期間中にも通常の給食を提供するケースも多いという。

給食室の設備点検や更新などは、2学期以降の安全な給食提供のためにも避けては通れず、一定の給食休止期間がありうることは否めない。その一方で、量や栄養価が不足しているとも思われる簡易給食では、真夏の時期に児童の体力や健康に影響を与えてしまうのではないかという不安も生じることにもなる。善処を求めたい。
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