文部科学省は2020年8月19日、中央教育審議会特別部会の中間まとめ(骨子案)を公表した。

新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、少人数学級を可能とするための指導体制や施設整備を図ることを盛り込んでいる。

現行の40人学級については、学習指導などの観点からはまだ人数が多すぎる、一人一人に目が届きにくいという指摘が、かねてからなされていた。

一方で2020年には新型コロナウイルス問題が勃発し、現行の標準的な教室の広さだと「密」が回避できないという指摘がされた。

臨時休校から学校が再開された際、過渡的な措置として分散登校によって1クラスを2つに分けるなどの措置が全国的におこなわれた。その際に、20人程度の少人数でないと「密」は回避できないという指摘や、「授業での反応や生徒の状況など、一人一人に目が届く」という教育効果としての指摘もされた。

感染対策としても、また教育効果としても、少人数学級の優位性が示された形になっている。

一方で少人数学級の実現のためには、教員定数・配置基準の変更や、場合によっては校舎の増築など、人的・財源的な措置も同時に必要になる。

感染対策だけでなく、子どもの学びや教職員の勤務条件向上という意味でも、実効ある形での少人数学級実現に踏み込んでほしいと願う。
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