愛媛県松山市では2020年8月26日の教育委員会会議で、2021年度から中学校で使用する教科書採択を実施した。

同市では前回採択では歴史で育鵬社が採択されていたが、今回は育鵬社を採択せず、東京書籍に採択替えした。

松山市での教科書採択をめぐっては、2014年に採択委員会による答申制度が廃止され、2015年には学校からの報告書では「多くの学校が、東京書籍が一番評価が高いと判断した」とする内容が出ていたにもかかわらず、教育委員が育鵬社を採択した。

さらに2015年採択後は、学校からの報告書の様式についても「優れている点」のみ記述する方式に変更された。

現場の声の反映が限定的となっている現状が続いていることになる。

一方で地域の住民団体などが、「育鵬社教科書の不採択を」「現場教員の意見を反映した採択制度に」などとする運動を続け、署名や請願などを繰り返してきた。

2020年教科書採択にあたっても、現場の声が限定的にしか反映されないなどの制約があったもと、育鵬社を採択しなかったことは成果であり、快挙である。

採択制度に現場の声を反映させる仕組みをより充実させることや、将来的にも再び育鵬社やそれに類するものが採択されないようなことを、引き続き求めていきたい。
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