政府の教育再生実行会議のワーキングループは2020年9月8日の会合で、少人数学級を「令和時代のスタンダード」として推進するよう要請する中間答申をまとめた。

萩生田光一文部科学大臣は答申を安倍晋三首相に提出し、次期政権でも少人数学級の議論を引き継ぐことを求めた。

少人数学級については、かねてから「児童生徒一人一人の状況に目が届きやすくなり、きめ細やかな指導ができる」として、実現を求める声が出ていた。

文部科学省は前向きだったものの、財務省が消極的で、予算が付くには至っていない状況が続いている。

2020年には新型コロナウイルス問題が勃発し、感染防止のためには「3密」を避けることが指摘されている。一方で現行の教室の面積と40人学級基準では、児童・生徒間の距離を十分に取れないことが指摘された。この観点からも、少人数学級が必要だと改めて指摘されるようになった。

新型コロナウイルス対策で一時期、1クラスの人数を半分に分ける分散登校などが実施された。その際にソーシャルディスタンスの問題だけではなく、一人一人の児童・生徒に目が行き届きやすくなったことで、学習指導や学級指導がよりきめ細やかにしやすくなったという声も上がった。

今後計画的な形で、少人数学級への移行が進むことが求められている。安倍首相は退任を表明し、9月中にも次期首相を指名する国会が召集される見通しとなっているが、次の首相が誰であろうとも少人数学級についてはより前向きに進めていくことが望まれる。
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