大阪市の市立保育所・幼稚園などで無料配布されている子育て情報誌に「特定政党の広告」が掲載されていることがわかり、大阪市が回収を進めていると、2020年9月17日のNHKニュースが報じた。
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NHKニュース・web版(2020年9月17日)[/caption]
NHKでは「特定政党」の実名を名指ししていないが、これは大阪市政与党でもある大阪維新の会の広告だとのこと。大阪市を廃止・解体し現大阪市域を特別区に分割する、いわゆる「大阪都構想」への賛成を呼びかける内容である。
問題の情報誌は、「まみたん」の名称で発行されている情報誌である。
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NHKニュース2020年9月17日より[/caption]
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NHKニュース2020年9月17日[/caption]
「まみたん」は、発行元の「ぱど」グループが全国各地でそれぞれの地域版を発行している。「まみたん」大阪市内版については、「株式会社関西ぱど」と大阪市が包括協定を締結し、大阪市の全面協力のもとで編集・発行し、市立保育所や幼稚園で配布している。
https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000397906.html
「まみたん」大阪市内版2020年10月号(9月4日発行)では、維新市政によって子育て施策8倍にしたという使い古されたデマとセットで、大阪市の廃止・解体、いわゆる「大阪都構想」への賛成を呼びかける宣伝広告が掲載された。
報道によると、市民から大阪市役所に情報提供があり、市の担当部局が確認したところ広告の存在が明らかになったとされている。
発行者は企業だとはいえども、大阪市の全面協力のもとで作製され市の施設で配布されているものである。
そのような性格の情報誌に、特定政党の政治的な訴えの広告を入れた。そのことは、行政の中立性として極めて問題があることになる。維新が行政を私物化しているという批判は避けられないのではないか。
大阪市の廃止・解体、いわゆる「大阪都構想」そのものについても、あまりにも内容がひどい。
5年前の2015年5月17日の住民投票で否決されたものと、「5区への解体」を「4区」に変更したくらいで、制度の骨組みとしては内容的には大差ない。
それどころか、▼「特別区庁舎では執務スペースが不足するが、建設の財源が足りない」という指摘に対して、「現大阪市役所に複数の特別区庁舎を同居させる」という策を新たに出した。このことで、常駐職員が一番多い庁舎が自治体区域外という極めて異例の特別区もでる。▼「区役所がなくなる・遠くなる」という批判に対して、現行の大阪市の行政区区役所を特別区の地域自治区事務所に移行して権限が小さくなるのに、地域自治区事務所に特別区区役所本庁舎と同じ「区役所」というややこしい名前を付ける手法を編みだし、「区役所はなくならない」と宣伝する。――など、小手先のごまかしを加えたぶん、より悪くなっている。
このようなひどい内容の大阪市の廃止・解体、いわゆる「大阪都構想」をごり押しするために、大阪市の全面協力の下で市立保育所・幼稚園などで無料配布している無料情報誌を使って一方的な見解を広告するなど、なりふり構わない卑劣な手段だと感じる。
「維新市政で子育て・教育予算8倍」も嘘。塾代助成・ICT活用など、維新市政のもとで重点施策として位置づけた項目の「政策的予算」のみを抜き出して、それが「維新前」より8倍になったというだけ。それをあたかも、教育予算全体が8倍になったかのようなミスリード宣伝をしている。
維新は橋下徹が市長に就任した2011年末以降の歴代の維新市政で、選挙などのたびに「子育て・教育予算が○倍になった」と宣伝している。しかし大阪市は2014年の時点で「そのような事実はない」とする見解を市会で出している。
通常の計算方法で算出した子育て・教育予算は、全体としてはほぼ横ばいとなっている。そのため、通常の教育予算として必要なものが「政策的予算」にとられた分圧縮される形にもなり、教育活動にも影響が出ていることにもなる。
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NHKでは「特定政党」の実名を名指ししていないが、これは大阪市政与党でもある大阪維新の会の広告だとのこと。大阪市を廃止・解体し現大阪市域を特別区に分割する、いわゆる「大阪都構想」への賛成を呼びかける内容である。
問題の情報誌は、「まみたん」の名称で発行されている情報誌である。
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「まみたん」は、発行元の「ぱど」グループが全国各地でそれぞれの地域版を発行している。「まみたん」大阪市内版については、「株式会社関西ぱど」と大阪市が包括協定を締結し、大阪市の全面協力のもとで編集・発行し、市立保育所や幼稚園で配布している。
https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000397906.html
「まみたん」大阪市内版2020年10月号(9月4日発行)では、維新市政によって子育て施策8倍にしたという使い古されたデマとセットで、大阪市の廃止・解体、いわゆる「大阪都構想」への賛成を呼びかける宣伝広告が掲載された。
保育所で貰ったフリーペーパーにびっくり。しかしこの「子育て施策8倍」は、政策的予算のみを集めたもので子育て・教育全体の予算ではないので注意が必要。これら施策も政令市大阪の豊かな財源があってこそだし、大阪市が無くなれば子ども医療費助成や塾代助成などの継続は財源乏しい特別区の判断に。 pic.twitter.com/JoI3affe4p
— たつみコータロー 前参議院議員 日本共産党 (@kotarotatsumi) September 10, 2020
報道によると、市民から大阪市役所に情報提供があり、市の担当部局が確認したところ広告の存在が明らかになったとされている。
中立性に問題
発行者は企業だとはいえども、大阪市の全面協力のもとで作製され市の施設で配布されているものである。
そのような性格の情報誌に、特定政党の政治的な訴えの広告を入れた。そのことは、行政の中立性として極めて問題があることになる。維新が行政を私物化しているという批判は避けられないのではないか。
維新の宣伝はデマとごまかしばかり
大阪市の廃止・解体、いわゆる「大阪都構想」そのものについても、あまりにも内容がひどい。
5年前の2015年5月17日の住民投票で否決されたものと、「5区への解体」を「4区」に変更したくらいで、制度の骨組みとしては内容的には大差ない。
それどころか、▼「特別区庁舎では執務スペースが不足するが、建設の財源が足りない」という指摘に対して、「現大阪市役所に複数の特別区庁舎を同居させる」という策を新たに出した。このことで、常駐職員が一番多い庁舎が自治体区域外という極めて異例の特別区もでる。▼「区役所がなくなる・遠くなる」という批判に対して、現行の大阪市の行政区区役所を特別区の地域自治区事務所に移行して権限が小さくなるのに、地域自治区事務所に特別区区役所本庁舎と同じ「区役所」というややこしい名前を付ける手法を編みだし、「区役所はなくならない」と宣伝する。――など、小手先のごまかしを加えたぶん、より悪くなっている。
このようなひどい内容の大阪市の廃止・解体、いわゆる「大阪都構想」をごり押しするために、大阪市の全面協力の下で市立保育所・幼稚園などで無料配布している無料情報誌を使って一方的な見解を広告するなど、なりふり構わない卑劣な手段だと感じる。
「教育予算8倍」の嘘
「維新市政で子育て・教育予算8倍」も嘘。塾代助成・ICT活用など、維新市政のもとで重点施策として位置づけた項目の「政策的予算」のみを抜き出して、それが「維新前」より8倍になったというだけ。それをあたかも、教育予算全体が8倍になったかのようなミスリード宣伝をしている。
維新は橋下徹が市長に就任した2011年末以降の歴代の維新市政で、選挙などのたびに「子育て・教育予算が○倍になった」と宣伝している。しかし大阪市は2014年の時点で「そのような事実はない」とする見解を市会で出している。
通常の計算方法で算出した子育て・教育予算は、全体としてはほぼ横ばいとなっている。そのため、通常の教育予算として必要なものが「政策的予算」にとられた分圧縮される形にもなり、教育活動にも影響が出ていることにもなる。