千葉県鴨川市立長狭学園(小中一貫校)の中学校2年だった2016年当時、剣道部顧問だった教諭から部活動中に暴行を受け、精神的症状を発症するなどしたとして、被害に遭った女子生徒が2020年10月までに、市などを相手取り約4800万円の損害賠償を求める訴訟を千葉地裁木更津支部に起こしたと報じられている。

暴行・「体罰」事件は2016年11月1日に起きた。顧問教諭は、練習中にこの生徒が「よそ見をしていた」として、正座させた上で竹刀で十数回殴る・足で蹴りつける・鎖骨に「突き」をするの暴力行為をおこなった。

生徒は脳しんとうの疑いと診断され、一時入院した。その後、暴行の様子がフラッシュバックする症状などに悩まされ、PTSDと診断された。保健室登校状態になったのちに転校を余儀なくされたという。中学校卒業後は通信制高校に進学したものの日常生活に支障が出る状態になっているという。

加害教諭はこの事件で、2017年1月に停職6ヶ月の懲戒処分を受けている。また2016年12月に傷害罪で館山簡裁から罰金50万円の略式命令を受けた。

原告側は、教諭の暴行でPTSDを発症したと訴えている。しかし鴨川市は2020年9月の第1回口頭弁論で、教諭の暴行とPTSD発症の因果関係について否定し、争うとした。

しかし暴行がPTSD発症を誘発させたのは明らかではないのか。その因果関係を否定するとなると、「ほかの理由」を無理やりにでも探してくることになり、被害生徒への二次被害にもつながりかねないことになる。市側はなぜ争うのか。

(参考)
◎剣道部顧問が正座強要・竹刀で十数回頭たたき鎖骨に突き…「体罰でPTSD」女子生徒が提訴 (読売新聞 2020/10/29)
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