「札幌市立中学校在学中から卒業後数年間にかけて、中学校時代の教師から性的被害を受けPTSDを発症した」として、現在は東京都在住の女性(43)が当該教諭の懲戒処分を札幌市教育委員会に申し入れ、市教委が再調査を始めたことが、2021年1月9日までにわかった。

女性は札幌市立中学校在学中の1993年から数年間にわたり、在学していた学校の教師から性的被害を受けたと訴えている。当時は恋愛だと認識していたものの、その後体調を崩し、当時の性的被害によるPTSDだと診断されたという。女性は2016年に札幌市教育委員会に被害を訴えた。市教委は当該教諭への聴き取り調査をおこなったものの、当該教諭が否定した・事実が確認できなかったなどとして処分は見送られていた。

女性は2019年、札幌市教育委員会と当該教諭を相手取って損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。二審の東京高裁判決では2020年12月、損害賠償請求については「時効が成立している」として棄却したものの、教諭が当該女性に性的行為をおこなったことは事実だと認定した。

これを受けて女性側は2021年1月5日付で、教諭の懲戒処分を求め、また処分決定までの退職届を不受理にするよう申し入れた。教諭は現在も札幌市立学校の教師として勤務しているという。

損害賠償請求は法的には時効と判断されたとはいえども、事実関係が裁判で認定されたことは、重く受け止めるべき案件である。

性的虐待、「指導」を偽装した暴力行為には毅然とした対応を


わいせつ行為や、「指導」と称した暴力行為・いわゆる「体罰」など、教師による児童・生徒への暴力行為・虐待行為については、直後は「指導」だと思い込まされていても、時間が経ってから被害を認識することもある。法的な時効概念とは別の判断も必要になってくるのではないか。

さらにこの手の暴力事件では、加害者の行為が一過性・偶発的なものであることは少なく、標的を変えながら常習的におこなっている事例も多くある。教育委員会や当該校の管理職が暴力教師や性的虐待教師を放置・隠蔽し、転任先には何の情報も与えないまま他校への転任だけで済ませることで、新たな被害者を生んだ事例も珍しくない。

またとりわけ悪質な加害者に至っては、教育委員会の報道発表やそれを受けた新聞報道にすら、自分の卑劣な行為を棚に上げて「自分への名誉毀損」と難癖を付け、目に付かないように抹殺しようとすることもある。

別の事件では、たまたま新聞記事を引用したり、新聞記事の内容を紹介しただけだし、アクセスなど大したことないレベルの当ブログにすら、「名誉毀損だから消せ」と恫喝して殴り込みをかけてきたおかしな加害者も複数いた。その手のことをしている者は、「エゴサーチ」して、目に付いた多数のサイトを片っ端から恫喝しているような痕跡も確認できた。当ブログへのその手の嫌がらせは複数件あったが、ほとんどが「生徒にわいせつ目的で、ないしは指導を偽装して、性的な暴力行為を加えた教師」と思われるものの周辺からだった。

このようなことが積み重なり、加害者は自分の卑劣な行為が世の中に知られることなく、何事もなかったかのように生活し、新たな行為を生み出していくということになる。

この手の加害者の行為は、社会的に決して許されないし、許してはいけない。毅然とした対応が必要である。

文部科学省は、「性的虐待が理由で教員免許が失効した教師について、教員免許を半永久的に再取得できないようにする」などの方策を検討していたが、刑法の規定などとの齟齬を指摘されて見送ったとされる。それでもできる限りの対応はしていかなければならない。
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