広島県呉市の私立呉港ごこう高校に通っていた当時、学校側から「行き過ぎた指導」や暴行を受けて退学を余儀なくされ、精神的苦痛を受けたとして、元男子生徒が学校側に対して178万円の損害賠償を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が、2021年1月13日に広島地裁で開かれた。

学校側は請求棄却を求めた。

事件の経過


報道によると、生徒は2019年4月に同校に入学した。しかし2019年5月、学校の近くで喫煙をしたと疑われ、丸刈りを強制された。さらに約1ヶ月にわたり、別室に隔離されて授業を受けられず、反省文を大声で読み上げさせられるなどの指導を受けたと訴えている。

さらに2019年7月には、忘れ物をしたとして教師から胸を突かれるなどの暴行を受け、その後不登校になった。2020年になり退学と通信制高校への編入を余儀なくされたと訴えている。

生徒側は「高校の指導が生徒に与えた苦痛や奪った権利の大きさは極めて重大だ」と訴えた。

学校側は、「生徒の主張の内容には、事実と異なる点がある」と反論した。

指導に合理性があるのか


生徒側が訴えている内容があったとするのなら、このような対応は指導といえるようなものではない。丸刈り強制や1ヶ月にわたる別室隔離、反省文を大声で読み上げさせるなどは、見せしめでいじめ行為・人権侵害行為をしていると非難されてもおかしくないものである。

このような対応によって、何の教育効果があるのかを合理的に説明できるような論拠は、どう考えても見つからない。

(参考)
◎“過ぎた指導で退学”裁判始まる(NHK広島放送局 2021/1/13)
◎「”行き過ぎた指導”で退学」元男子生徒が高校に損害賠償請求(テレビ新広島 2021/1/13)
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集