奈良市教育委員会が2019年度小学校教科書採択の際に実施した、教科書展示会来場者アンケート。
市民がこのアンケートの回答内容についての開示請求をおこなったが、市教委は、自由記述欄など内容の大半を非開示・「黒塗り開示」にしたとして、市民が奈良市を相手取り開示を求める訴訟を、2021年1月に提訴している。
http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-21938/
奈良市議会観光文教委員会で2021年2月9日、この問題に関する質疑がおこなわれた。
質問に立った市議は、市教委が非開示にした理由として挙げた「筆跡などから個人が特定できる」「個人の利益を侵害するおそれがある」「採択事務に支障が出る」という点について、具体的な根拠や事実を示すよう求めた。
市議は、展示会の参加者は不特定多数であり、個人特定は極めて困難であると指摘した。また、実際にアンケートを書いた市民が「一生懸命書いたものを黒塗りするのは侮辱」「内容を少しでも広めてほしい」と訴えているという声を紹介し、市教委の理由に説得力が欠けると指摘した。
さらに、2018年まではアンケート内容を全面公開していた事実をあげ、「事務に支障が出るという話は聞いたことがない」と指摘した。
また文科省が情報公開を推奨していること、滋賀県教育委員会が同様に非公開措置をとった際には審査会で「全面公開すべき」とする決定が出されたことを指摘し、奈良市もそれらの点を重く受け止めて対応すべきと指摘した。
奈良市教委は、いずれの質問に対しても、「提訴中」として答弁を拒否した。
奈良市教委は当該案件について、教科書展示会でのアンケート用紙での回答者情報、意見の自由記述などが、「筆跡などで個人を特定され不利益を与えかねない」などと主張している。
筆跡がどうこうについても、不特定多数が出入りする会場でのアンケートで、筆跡から個人を探し出して特定するなど不可能といって差し支えない。
教科書アンケートは無記名で実施され、回答者に詳細な個人情報を記入させるわけではない。閲覧日や閲覧者属性などの回答欄はあったものの、閲覧者属性といっても個人を特定できるほどの情報記入を求めているわけではなく、個人特定可能とはとうてい思えない。
奈良市教委の言い分は、成り立たないのではないかと思われる。
市民がこのアンケートの回答内容についての開示請求をおこなったが、市教委は、自由記述欄など内容の大半を非開示・「黒塗り開示」にしたとして、市民が奈良市を相手取り開示を求める訴訟を、2021年1月に提訴している。
http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-21938/
市議会での質疑
奈良市議会観光文教委員会で2021年2月9日、この問題に関する質疑がおこなわれた。
質問に立った市議は、市教委が非開示にした理由として挙げた「筆跡などから個人が特定できる」「個人の利益を侵害するおそれがある」「採択事務に支障が出る」という点について、具体的な根拠や事実を示すよう求めた。
市議は、展示会の参加者は不特定多数であり、個人特定は極めて困難であると指摘した。また、実際にアンケートを書いた市民が「一生懸命書いたものを黒塗りするのは侮辱」「内容を少しでも広めてほしい」と訴えているという声を紹介し、市教委の理由に説得力が欠けると指摘した。
さらに、2018年まではアンケート内容を全面公開していた事実をあげ、「事務に支障が出るという話は聞いたことがない」と指摘した。
また文科省が情報公開を推奨していること、滋賀県教育委員会が同様に非公開措置をとった際には審査会で「全面公開すべき」とする決定が出されたことを指摘し、奈良市もそれらの点を重く受け止めて対応すべきと指摘した。
奈良市教委は、いずれの質問に対しても、「提訴中」として答弁を拒否した。
雑感
奈良市教委は当該案件について、教科書展示会でのアンケート用紙での回答者情報、意見の自由記述などが、「筆跡などで個人を特定され不利益を与えかねない」などと主張している。
筆跡がどうこうについても、不特定多数が出入りする会場でのアンケートで、筆跡から個人を探し出して特定するなど不可能といって差し支えない。
教科書アンケートは無記名で実施され、回答者に詳細な個人情報を記入させるわけではない。閲覧日や閲覧者属性などの回答欄はあったものの、閲覧者属性といっても個人を特定できるほどの情報記入を求めているわけではなく、個人特定可能とはとうてい思えない。
奈良市教委の言い分は、成り立たないのではないかと思われる。