東京都立高校全日制約177校のうち44.6%にあたる79校で、生まれつき髪の毛の色が黒以外の色の生徒やくせ毛のある生徒に対して「地毛証明書」を提出させていたことがわかった。

地毛証明書の提出・記入は任意だと明記していた学校は5校にすぎなかった。さらに「任意」とした学校でも教師が生徒に対して、地毛証明書の提出や黒染めを迫るなどしていることも指摘された。

共産党東京都議会議員団の調査で判明した。共産党都議が2021年2月25日、都議会本会議で校則に関する質問をおこない、この状況を紹介した。

証明書では、保護者の捺印や、地毛の特徴を詳しく書くようなどを求めているという。

NHKの2021年2月25日の報道によると、東京都教育委員会は以下のような説明をおこなったとしている。
都教育委員会は「事実誤認による頭髪の指導を防ぐため、生まれつきの髪であることを届け出てもらっているが強制ではない。人権尊重の理念にたった指導が大前提で、生徒や保護者などの意見も聞き、毎年、確認方法を見直す必要があると考えている」と説明しています。

NHKニュース 2021/2/25 『くせ毛や栗毛色「地毛証明」都立高の4割 生徒に届け出求める』

東京都立高校では2017年以降断続的に、「地毛証明書」を提出させる高校が相当数あるとマスコミ報道されていた。2021年時点で同様の措置が続いていることになる。

http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-19584/

しかしそもそもの問題点として、髪の毛が黒でなければならない・学校が指導しなければならないという固定観念を見直す必要があるのではないか。

また生まれつきの髪の毛の色が黒ではない生徒やくせ毛の生徒に対して、届け出をさせることにより、生徒の身体的特徴・プライバシーに必要以上に介入することにもつながる。届け出をさせることによって不要な負担を強いることになり、人権侵害や差別にもつながることにもなる。

髪の毛の色が黒ではないからといって、それが学習に支障が出るような合理的な規定だとは考えられない。校則そのものの見直しも重要であり、また地毛証明書の提出によって生徒に不要な負担をかけていることも改善する必要がある。
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