秋田市立小学校で3年を担任する50代女性教諭が、2020年5月から2021年3月にかけ、児童にいじめ・虐待同然の不適切行為を繰り返していたことがわかった。

秋田市教育委員会は2021年3月22日に記者会見を開き、事案の概要を公表した。秋田市教委は「非暴力を指導すべき教員が暴行を命じるとは前代未聞」としている。

秋田市教委は秋田県教委に事案を報告し、県教委は懲戒処分も含めて検討するとしている。

経過


報道発表によると、この教諭は2020年度に3年を担任したが、児童に不適切行為を繰り返していた。

2021年3月5日、学級内でのトラブルがあったとして、特定の男子児童1人をトラブルの加害者とみなして、トラブルに関与した別の児童数人に対して「やっちゃいな」などと暴行をけしかける発言をおこなった。教諭は「先生が暴力振るうと退職させられるから」として、複数の児童にこの児童を殴らせた。実際に数人の児童がこの児童を殴ったという。

目撃した別の女子児童が見かねて「暴力を覚えさせるのはよくない」と教諭に指摘したが、教諭は「この子はこうしないとわからないからいいんだ」と居直ったという。

この件について、複数の保護者から学校に苦情があったことで事態が発覚した。

また保護者側は、教諭がこの件以前にも不適切行為を繰り返していたことを指摘した。

教諭は2020年5月、学級内で児童にクラスメートの好き嫌いを問いただし、「嫌い」として名前の挙がった児童に対して、「これが現状だ。好かれるように頑張らないといけない」などといじめ同然の発言をおこなった。

また具体的な発生時期ははっきりしないとされたものの、転入生の児童を教室外に引きずり出し、「前の学校の子はあなたがいなくなって喜んでいるだろう」と罵倒したとも指摘された。

悪質ないじめ行為


教諭の行為は、決して指導ではない。いじめ・虐待と言ってしかるべき、極めて悪質な内容である。

児童に命じて特定の児童を殴らせるというなど、これ一つとっても教員の資質どころか人間性そのものを疑われるものである。また児童を吊し上げて罵倒するような対応を繰り返したことも許されることではない。
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