奈良県橿原市立中学校1年だった女子生徒が2013年3月にいじめを苦にして自殺した事件で、遺族が加害者側の生徒4人とその保護者(うち2人の生徒とその保護者とは和解成立)および橿原市を相手取って訴えた訴訟で、奈良地裁は2021年3月23日、原告側の請求を棄却した。

いじめの存在を認めず、また教諭はいじめを予見できなかったと判断したという。

いじめ事件の経過


この事件では当該女子生徒が、所属していたソフトテニス部の部活動で、集団で無視されたりSNSで中傷されたりなどのいじめを受けていたことが指摘された。

生徒の自殺直後に学校側が実施したアンケートでは、この生徒へのいじめがあったとする証言が約40件あったとされるが、橿原市教育委員会はいじめを認めてこなかった。また市教委は、いじめを隠蔽する・遺族への口封じを図る・調査に消極的と受け取れるような対応を取り、遺族側を傷つけるものになったとも指摘された。

第三者委員会は2015年4月、「いじめがあった」「いじめが自殺の一因になったとする報告書をまとめていた。

訴訟の経過


訴訟では、橿原市や加害生徒とされる側はいじめを否定した。その一方で部活動の元顧問教諭や元同級生が「いじめがあった」と証言台に立つなどもした。

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2021年3月23日の奈良地裁判決では、いじめを認定した第三者委員会の報告書や、「いじめがあった」とする証言などをことごとく否定するような形で、「顧問・クラスメートの証言や調査委員会の報告書などからも、仲間外しや無視があったとは認められない」とする判決を出した。

さらに学校側の責任についても認めなかった。

報道された範囲内の判断にはなるが、あまりにも「ありえない」判決だという印象を受ける。ここまで全面否定するのかということに驚いた。関係者の心情は察するにあまりある。

(参考)
◎奈良の中1いじめ自殺、遺族敗訴(共同通信 2021/3/23)
◎中学生自殺 いじめ認定せず 遺族の訴え退ける 奈良地裁(NHKニュース 2021/3/23)
◎中1女子自殺 調査委も部活顧問も“いじめ認める”一方で奈良地裁「いじめ認定せず」(毎日放送 2021/3/23)