神戸新聞2021年4月8日付(ウェブ版)が『高校の保健授業で妻の出産映像流し生徒3人が体調不良に 専門家の受け止めさまざま』という記事を配信している。

記事によると、兵庫県阪神地域の兵庫県立高校で保健体育科を担当する男性教諭が2020年9月、2年の保健の授業の際、担当クラスで自分の妻の出産映像を教材として使ったということ。陣痛で苦しむ妻の上半身の映像と声がメインだったという。1クラス目では特に問題も出ずに授業が終わったが、2クラス目の授業では女子生徒3人が気分が悪くなって保健室で休む状態になったという。

事実関係を把握した校長は「生徒はさまざま。気分が悪いと感じる人は映像を見聞きしないでいい、と事前に伝えるなど配慮が必要だった」と指摘したという。男性教諭はそれ以降の担当クラスでは授業での映像使用を取りやめた。

兵庫県教委には、この授業についての指摘が外部からあったが、県教委は「配慮が足りなかった面はあったが、指導からは逸脱していない」として処分などは検討しないとしている。

性教育や出産映像などをめぐっては、視聴した児童生徒が気分が悪くなったと訴えたり、外部から苦情が出ることも時々聞かれる。しかしながらこれは、別に不適切とはいえない、一概に悪いとはいえないのではないかとも感じる。

性や性教育に関することに抵抗があるという社会の風潮も一部にあることは否定できない。そういった風潮も反映して抵抗を持つような生徒もいることは確かではあろう。生徒個別の状況に合わせたていねいな配慮は必要になってくるだろうが、全体としては教材を工夫しながらも、積極的な取り組みをおこなってほしいと願う。
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