2021年3月におこなわれた広島県立高校の入試で、受験生が「机の上にコンパスを置いていた」として受験無効にしていたことがわかった。学校側は無効措置そのものは試験要項にのっとった判断だとしながらも、当日の試験会場での対応に不備があったとして受験生側に謝罪したと報じられた。

報道によると、経過は以下のようになっている様子。

入試は3月8日と9日の2日間にわたっておこなわれた。当該校では鉛筆・鉛筆削り・消しゴム・定規・時計の5点のみの持ち込みを認め、それ以外のものの持ち込みは認めていなかったという。

学校側は持ちこみ可能なものについて事前に注意書きのプリントを配布したり、試験開始前に校内放送で周知するなどもしていた。試験要項では、指定されたもの以外を持ち込んだ場合は試験を無効とし、その場で退室させるとなっていた。

しかし複数の受験生が、1日目の試験時間にコンパスを持ち込んだとしている。同日は1・2限の国語と社会の時間からコンパスを机の上に置いていたが、試験監督は特に何も注意しなかった。

3限目の数学の試験時間になり、試験開始から10分ほど経った頃に試験監督がコンパスに気づいた。試験監督はコンパスを没収したが、そのまま受験させていた。しかし夜になって校長から各受験生に「試験を無効とする」という連絡があったという。無効とされた受験生は、翌日の試験を受けられなかった。

学校側は、入試要項が徹底されずに、1・2限で見逃していたこと、および3限目も退室させずにそのまま試験を受けさせたことについて不備を認めたという。

生徒側からみれば心情的には厳しいような印象も受けるが、無効自体はやむを得ないのかもしれない。その一方で、入試要項が徹底されていなかったことや、このような状況を避けるように周知徹底するあり方なども検証していかなければならないようには感じる。
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