コロナ禍のもとで東京都が、2021年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックの「学校連携観戦」と銘打って、都内の公立・私立の幼稚園から高校生までを学校単位で観戦させる計画を立てていたことがわかった。

「しんぶん赤旗日曜版」2021年5月2日・5月9日合併号が報じ、ネットメディアでも後追い報道されている。

https://lite-ra.com/2021/04/post-5868.html

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_608b5a98e4b05af50dc17c9e

計画そのものはコロナ禍の前に作られたものだという。東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会が、教育の一環と位置づけて学校単位で子どもに競技を観戦させるとしていた。組織委員会がチケットを用意し、東京都など各自治体が公費で負担して管内の学校に割り当てる方式で準備していた。東京都では2019年時点で、幼稚園・小学校・小中高校・特別支援学校など約81万人に観戦させるとしていた。

しかし2020年の初めにコロナ禍が始まり、2020年7~8月に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックは1年後の2021年夏に延期された。「学校連携観戦」についても延期された。コロナ禍は2020年いっぱい続き、年が明けて2021年になっても収束していない状態が続いている。さらに、変異株の問題なども発生して、状況はより一層深刻化している。

しかし2020年12月、東京都から各学校に新たな「学校連携観戦」の日程案が届いたという。そのことで学校関係者からの批判の声が紹介されている。

競技場への行き帰りで電車やバスなどの公共交通機関を使うよう指示されたことで、児童生徒の乗車で公共交通機関の移動が密になりかねないこと。夜間実施の競技に割り当てられたものもあり、その場合は帰宅が夜の時間帯になることで安全に不安が出ること。真夏の時期で、炎天下の観戦・しかもマスク着用で熱中症のおそれもあること。――などが指摘されている。

また東京都では、「都立学校においては、学校連携観戦当日が授業日である場合、観戦しなかった・できなかった場合は欠席扱いになる」と要項に明記し、「チケットの配付決定後のキャンセルは認めない」などの条件を付けているともしている。学校連携観戦を中止する予定はないともしている。

これらの対応は、あまりにもひどいものだと言わざるをえない。

オリンピック・パラリンピックについては、理念そのものはともかく、現状ではできるような状況ではないとも考えられる。コロナ禍のもとで日常の学校での教育活動に支障が出ているうえに、真夏の炎天下に学校単位で児童・生徒の観戦を動員することなどは、危険極まりないことになっているのではないのかともいえる。感染対策としても、また熱中症対策としても、極めて問題のあることになっている。