NHKのテレビ番組「ストーリーズ」で2021年5月29日、『【事件の涙】「“葬式ごっこ”元同級生 35年目の告白」』が放送された。

1986年2月、東京都中野区立中野富士見中学校(現在は統廃合で閉校)2年だった男子生徒がいじめを苦にする遺書を残して自殺した「中野富士見中学校いじめ自殺事件」。

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当該生徒は暴行などのいじめを日常的に受けていた。1985年11月、クラスの同級生の発案で、この生徒の机にクラスの同級生からの「追悼の寄せ書き」や花が置かれるなどする「葬式ごっこ」いじめもあった。「葬式ごっこ」いじめでは、担任教師を含む教員4人も色紙に書き込むなどしていた。

この事件について、関係者への取材をおこなっている。

自殺した生徒の両親はすでに他界し、「葬式ごっこ」色紙や遺書・裁判資料などの関係資料は、両親が起こした訴訟で弁護を担当した弁護士が保管しているという。

取材班は、元同級生や当時の教師に連絡を取り取材を試みた。しかし連絡が取れた元同級生は「思い出したくない」「そっとしてほしい」「幸せな家庭生活を壊すな」「忘れてた」などとして取材拒否した者も多かったとされる。

うち2人の元同級生が取材に応じた。生徒と仲が良かったほうだというある元同級生は、「彼に対して当時声をかけられなかったのか。自殺しなくても済んだのではないか」などと自責の念に駆られ、その後の人生でも事件のことが重くのしかかっているという。「葬式ごっこ」の寄せ書き色紙を書くように求められた際の状況についても証言した。「冗談だから」と書くように求められ、書くような言葉が出てこなかったのでその同級生が「こういう風に書けばいい」と言ったとおりに書いてしまった。この元同級生は色紙を書いたことについて、自殺した生徒から「友達だと思っていたのに」「信じられねえ」などといわれたことが鮮明に記憶に残っているという。

また「どちらかというとはやし立てる側だったかもしれない」とする別の元同級生は「葬式ごっこの色紙に自分の名前があるが、そのときのことはよく覚えていない」などと話した。

この番組は、重い内容となっている。事件から35年経ち、50歳になろうとしている元同級生がずっと苦しみ続けている。また被害者本人は自殺に追い込まれ、その後の人生を生きられなかった。いじめは大きな傷を残すことになる。いじめは発見次第早期に対処していかなければならないということを示している。事件の教訓は重い。