岡山県津山市立津山東中学校の男性教諭が、生徒に暴力行為・いわゆる「体罰」を繰り返していたとされる問題で、当該校の保護者有志が2021年6月21日、当該教諭への寛大な措置を求める要請を津山市教育委員会におこなったと報じられた。

「体罰」事件は2021年6月15日、市教委が発表して明らかになった。

運動部の部活動顧問を務める20代の男性教諭は2020年10月以降、部活動指導中に複数の部員をたたくなどしたほか、暴言を吐く、部活動での助言を求められても無視するなどの行為を繰り返したという。

保護者2人が2021年6月に津山市教委に相談したことで発覚した。市教委の聴き取りに対して当該教員は事件を認め、岡山県教委による処分が決定するまでの間自宅待機措置となった。

一方で保護者有志らは2021年6月21日、「現場復帰や処分軽減を求める声が多数上がっている。報道などにより十分な社会的制裁を受けており、寛大な処置をお願いします」などとする要請書を、署名667人分とともに市教委に提出した。

この手の擁護があがるというのは、一般的にいって、極めて危険な状況だと不安になる。

署名内容も、当該教諭の行為について加害行為を曖昧にしているようにも読める。また「報道などにより十分な社会的制裁」名目で報道に責任転嫁したり、また被害を訴えた保護者が騒いで問題を焚きつけたとでも言いたげな状況が生まれているのではないかとも危惧する。

いわゆる「体罰」事件、いじめ事件、学校事故などの学校関連の事件では、加害者の加害行為を曖昧にしたままでの感情的な擁護と、被害者やその支援者への攻撃・中傷などの二次被害は、ほぼセットになっている。

今回については、報道の範囲では中傷内容は必ずしも明らかではないものの、これまでの同種の事件の経過からもその手のおかしなことが起きているのではないかと不安になる。
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