東京オリンピックで「学校連携観戦」に取り組む茨城県鹿嶋市で、熱中症対策などとして児童・生徒が持ち込める飲料について問題になっていると報じられている。

鹿嶋市では市内のカシマスタジアムでサッカーの試合がおこなわれることから、市立小中学校計17校の児童・生徒約3600人を学校単位で観戦させることにしている。

持ち込める飲料に制限


2021年7月16日のNHKニュースによると、会場に持ち込める飲料の量についても制限があり、熱中症対策として不安だという指摘が出された。

大会組織委員会は「テロ対策」などとして、会場に持ち込める飲料を「1人あたり、750ミリリットル以下のペットボトル1本まで」と制限していた。

これに関して鹿嶋市は、児童・生徒の熱中症への不安から、持ち込める量を「1人2本まで」に緩和してほしい、また引率の教職員については児童・生徒に万が一のことがあった際の予備としてさらに緩和してほしいとする要望を出した。しかし大会組織委員会からは一度拒否されたという。

報道などを受けてその後「2本」への緩和が認められた様子だが、飲料をめぐっては別の問題も発生した。

鹿嶋市内のある学校では、観戦に際しての注意事項として、会場に持参することができるのは「大会スポンサーのコカ・コーラ社の飲料」と指定し、それ以外の飲料は持ち込めないととれるような文書を出した。その文書に保護者が疑念を出し、SNSなどでも拡散された。2021年7月19日の夜以降、各マスコミで報じられている。

市教委によるとこの件については、SNSで拡散された文書は市内のある小学校のものだとみられるとした上で、「市教委と各学校の教職員が合同で会場下見と観戦に関する説明会をおこなった際、大会組織委員会担当者からは『ペットボトルのラベルをはがして持ち込んでほしい』という説明を受けた」として、当該校での文書は誤解を招きかねなかったとする見解を示した。

ここまでして観戦させる必要はないのでは


飲料ひとつとっても、ここまでして児童・生徒を観戦させる、動員する必要があるのかと疑問を感じざるを得ない。

東京都など他地域では、「学校連携観戦」の中止を決めた地域が続出している。新型コロナウイルス問題が深刻化しているもとで、また真夏の炎天下の元で熱中症対策に不安があることなど、屋外に動員するのは危険な状況ではないか。

鹿嶋市で予定通り観戦をおこなおうとしていることには不安を感じる。今からでも中止の選択肢を考えてもいいのではないかと感じる。
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