中学校社会科歴史的分野の教科書について、自由社教科書が新たに教科書検定を通過したことに伴い、2021年夏の教科書採択で自由社も含めて改めて採択をおこなうことも可能とされた問題で、神奈川県内で採択をおこなった自治体すべてが「2020年夏に採択された教科書を継続使用する」と決めていたことがわかった。

小中学校の教科書採択は原則として、新版の教科書が発行される4年ごとに実施される。中学校については前回の教科書採択は2020年で、今年2021年についてはよほどの例外事情がない限りは前年度の採択を追認する形になる年にあたっていた。

一方で2020年の教科書検定に不合格になった自由社教科書が、2021年に再申請をおこなって合格したことから、文部科学省は「自由社教科書を入れた形で採択を再検討することも可能」とする通知をおこなった。

神奈川県では15自治体で採択をおこなうことにした。その結果、すべてが2020年の採択版の継続採択を決めている。

横浜市では、教育委員から「あえて変更する必要がない」などの意見が出て、現行採択の帝国書院を引き続き採択した。

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川崎市では2021年8月22日に採択のための臨時会が実施された。自由社教科書については「執筆者の主観がかなり入った表現がある」などとして、評価が高くなかった。現行で採択されている教育出版について、「市内に多い外国人ルーツの生徒の学びも包含する」などとして引き続き推す声が相次ぎ、教育出版の継続採択が決まった。

県内の他の自治体でも審議をおこなったものの、いずれも変更の必要はないという判断となったとされる。

確かに、自由社のように執筆者の主観が前面に出た表現が目立つなどの「極端に使いにくい」ものにあえて変更する必要は見当たらない。落ち着くところに落ち着いたのではないかとも感じる。

(参考)
◎中学歴史教科書 全市町村、「自由社」採択せず いずれも継続使用 (東京新聞 2021/8/30)