大手予備校・駿台予備学校が受講生向けに独自編集し授業で使用している日本史科目のテキストについて、山田宏参院議員(自民党)の問い合わせの直後に「竹島」「南京事件」に関する記述が削除されていたことがわかった。

学校側は削除の理由について「ツイッターで批判が多数確認されたため」とし、議員からは削除・訂正要求はなかったとしている。

経過


朝日新聞2021年9月13日付『駿台、テキストの竹島・南京記述を一部削除 「批判ツイート多く」』で報じられている内容によると、経過は大筋で以下のようになっている様子。

2021年8月29日、竹島に関して「日露戦争中に日本は独島(トクト)を領土に編入して既成事実化して竹島と命名した」と記載したページの画像がツイッター上にアップされた、そのことで、ツイッター上では批判的な内容が書き込まれた。

また同校のテキストに関連して、南京事件についても「中国民衆・投降兵・捕虜の虐殺は十数万人以上」とするなどと記載したページが別のアカウントからアップされ、批判者から問題視された。

ツイッター上での動きを把握した学校側は、内部で対応を検討していた。

山田宏参院議員事務所はツイッター上での動きを知り、2021年8月31日に学校側に問い合わせをおこなった。その直後に学校側は当該記述の削除を決めた。

山田議員側は記述について、「ツイッターでの批判を知って問い合わせた」「竹島の記述は日本政府の見解とは異なる」「南京事件には諸説があり、さまざまな事情を勘案した記述をすべき」などとした。

私見


山田議員はあくまでも「問い合わせ」であり、削除・訂正要求などはなかったとしている。しかし政治家が出てきての「問い合わせ」自体が圧力として作用しかねないということにもなる。

歴史修正主義者、いわゆるネトウヨが自分たちの好みに沿わない記述に圧力をかけ、政治問題化させて、テキストの内容をゆがめていくというのは、極めて問題がある。またこういう圧力は、教育活動にも萎縮を与えることにもつながりかねない。

これまでにも、学校の教科書、予備校のテキスト、入試問題などにこの手の難癖を付けられる事例はいくつかあったように記憶しているが、このようなことが再び起きたのは極めて残念に思う。