愛知県一宮市立中学校3年だった男子生徒が2017年に自殺した問題があった。この事案について遺族側が「学校側の指導が自殺の背景にあった」として一宮市を相手取り訴えていた民事訴訟は、2021年9月29日付で名古屋地裁一宮支部で和解が成立した。

一宮市は、学校側の指導が不適切だったことを認めて謝罪して再発防止策をとる、遺族側に和解金(金額は非公表)を支払うなどの内容となっている。

事件の経過


生徒は2017年2月、自殺をほのめかすような言動をおこなった後に行方不明になった。その日のうちに一宮市から大阪に移動したとみられ、同日深夜に大阪市内の商業施設ビルから飛び降りて死亡した。生徒が友人に預けていたゲーム機に「本日をもって命を絶ちたい」「担任によって人生を壊された」とする内容が記されていた。

当該生徒は運動会の組体操の練習中に骨折したことへの担任教諭の対応への不満や、担任が担当する教科の授業などで当該生徒にだけプリント配りなどの雑用を押しつけられるなどの不満があり、担任教諭との関係が悪化していたとされる。生徒側は「教師によるいじめ」だと受け取っていたともされている。

骨折事故によって受験勉強が思うように進まなかったことや、進路指導担当の教員からプレッシャーを与えられるような声かけがあったことなども、背景にあると指摘された。

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生徒側は2018年2月に民事訴訟を提訴した。2020年11月に一度和解案が提示されたものの、一宮市が当初の和解案を拒否して改めて和解協議していた。

和解成立ということで、一区切りということにはなる。事件の経過を詳細に検証した上で、現場の生徒指導のあり方に反映できるような実効ある策がとられることを願う。