鹿児島県いちき串木野市立中学校に在学していた男子生徒が2018年~2020年にいじめを受けたと訴えた問題を調査していた同市教育委員会の第三者調査委員会は2021年10月13日、生徒が訴えた被害のうち11件をいじめと認定した。

その一方で、被害生徒が相手に抵抗・反撃したことを「当該生徒からのいじめ」と認定するなどの内容があったとして、生徒側は不服を示しているという。

経過


報道の内容を総合すると、いじめの状況については大筋で以下のような経過だった様子。

生徒は2018年以降、同級生らから「キモい」「死ね」などと言われる、ほうきの柄で殴られるなどのいじめを受けたと訴えた。2020年には転校を余儀なくされた。

調査報告書では、足をひっかけられて転倒させられたこと、ほうきの柄で殴られたことなど、同級生による生徒への行為11件を認定し、いじめだと結論づけた。

その一方で、当該生徒がいじめに抵抗・反撃して同級生を蹴り返す行為があったとして、その行為を当該生徒から同級生への「身体的暴力であって、いじめに該当する」とする認定をおこなった。

生徒側は「生徒側の被害に寄り添っていない」などとして報告書の内容に不満を示し、再調査の請求や提訴などの選択肢も検討しているとしている。

いじめ被害を受け続けて、耐えかねて抵抗したらその行為が「いじめ」だと認定されるようでは、それこそいじめへの加担に等しい行為ではないか。周囲がいじめ被害に対してそのような対応を取ると、いじめをしても許される・かばってもらえる、被害者が抵抗することが悪であるかのようなという誤ったメッセージを発することにもつながりかねない。この部分の認定は極めてまずいものとなっている。
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