鹿児島市内の鹿児島県立高校1年だった男子生徒が2014年8月に自殺し、背景にいじめが指摘された問題があった。この問題に関連して、学校側に安全配慮義務違反があったなどとして、生徒の遺族が約4500万円の損害賠償を求めて鹿児島地裁に提訴していたことが、2021年12月4日までに明らかになった。

提訴は2021年11月9日付。

いじめの経過


この案件は、鹿児島県立高校で2014年6月頃から、男子生徒が「カバンに納豆巻きを入れられる」「スリッパを隠される」などのいじめを受けていたとされたものである。

生徒は2014年8月に自殺した。遺書などはなかったという。一方で生徒の葬式の会場で「(同級生が)葬式のトイレで、『ばれたらやばくない』と話しているのを聞いた」などの証言もあったという。

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鹿児島県教育委員会は第三者委員会を設置して調査したが、2017年3月の報告書では「納豆巻きを入れられる」「スリッパを隠される」などの行為を確認したものの、「いじめとは断定できない」と判断していた。鹿児島県が知事部局での第三者委員会を改めて設置して再調査にあたり、2019年3月の報告書では、これらの行為を認定した上でいじめがあったと認定した。

訴訟の内容


遺族側は、学校側の対応について、「生徒が心理的苦痛を感じていることは容易に予見可能だった」「生徒の自殺直前におこなわれた夏期講習では、3日連続で無断欠席するなどの異変があった」などとして、学校側が組織的対応を怠っていた安全配慮義務違反があると主張している。

学校側の対応のまずさが問題になってくるであろうと思われる。鹿児島県は適切な対応を取ってほしいと願う。

(参考)
◎7年前の高1自殺 「学校は安全配慮義務欠いた」 遺族が鹿児島県を提訴(南日本新聞 2021/12/4)
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