兵庫県福崎町立中学校在学当時に同級生からいじめを受けてPTSDを発症し就労できない状態に追い込まれたなどとして、被害男性(現在32歳)が加害者の元同級生と福崎町を相手取り約1億9600万円の損害賠償を求めて提訴した訴訟で、神戸地裁姫路支部は2021年12月13日、元同級生の行為を一部認めながらもPTSDとの因果関係は認められないとして請求を棄却した。
報道によると、いじめ事案の経過の概略はおおよそ以下の様子である。
原告は2002年4月~2005年3月に福崎町立福崎西中学校に在学していた。在学中に同級生から暴力などのいじめを繰り返し受けた。
学校側はいじめを認識しながら、加害生徒への指導はほとんどせず、逆に担任教諭が原告に対して別室学習を指示するなど不適切対応を取ったと訴えた。
原告は加害生徒とは別の高校に進学したものの、高校進学後もいじめ・嫌がらせが続き、進学先の高校や大学でも休学・中退などを余儀なくされ、また2014年にはPTSDと診断されて就労できない状態になったと訴えた。
http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-14946/
原告側は2018年3月に提訴した。提訴当時の福崎町の教育長は、原告が通学していた時期の中学校の校長でもあり、「(校長当時に)いじめと認識して対応してきた。突然の提訴に驚いている」と話したという。裁判が始まると、被告側はいじめを全面的に否定して争う意向を示した。
判決では、原告側の請求を棄却した。加害生徒が原告に対しておこなった行為を一部認めながらも「PTSDとの因果関係は認められない」とした。また学校側の対応についても、学校側が原告を別室隔離したことなどは「証拠が認められない」として認定しなかった。さらに「仮に因果関係が認められたとしても、時効となる」などともした。
この判決は、正直言って残念に感じる。
いじめ被害を軽く扱い、「やったもの勝ち」かのような状況になってしまっている。いじめによって被害者は心身に大きな傷を負い、20年近く経過しても苦しめられて、日常生活に支障が出る状況が生じている。このことが全く救済されないというのは、残念であり、また異常と言わざるをえないのではないか。
事件の経過
報道によると、いじめ事案の経過の概略はおおよそ以下の様子である。
原告は2002年4月~2005年3月に福崎町立福崎西中学校に在学していた。在学中に同級生から暴力などのいじめを繰り返し受けた。
学校側はいじめを認識しながら、加害生徒への指導はほとんどせず、逆に担任教諭が原告に対して別室学習を指示するなど不適切対応を取ったと訴えた。
原告は加害生徒とは別の高校に進学したものの、高校進学後もいじめ・嫌がらせが続き、進学先の高校や大学でも休学・中退などを余儀なくされ、また2014年にはPTSDと診断されて就労できない状態になったと訴えた。
http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-14946/
原告側は2018年3月に提訴した。提訴当時の福崎町の教育長は、原告が通学していた時期の中学校の校長でもあり、「(校長当時に)いじめと認識して対応してきた。突然の提訴に驚いている」と話したという。裁判が始まると、被告側はいじめを全面的に否定して争う意向を示した。
判決では、原告側の請求を棄却した。加害生徒が原告に対しておこなった行為を一部認めながらも「PTSDとの因果関係は認められない」とした。また学校側の対応についても、学校側が原告を別室隔離したことなどは「証拠が認められない」として認定しなかった。さらに「仮に因果関係が認められたとしても、時効となる」などともした。
いじめ被害を軽く扱っている
この判決は、正直言って残念に感じる。
いじめ被害を軽く扱い、「やったもの勝ち」かのような状況になってしまっている。いじめによって被害者は心身に大きな傷を負い、20年近く経過しても苦しめられて、日常生活に支障が出る状況が生じている。このことが全く救済されないというのは、残念であり、また異常と言わざるをえないのではないか。