2022年1月に実施予定となっている大学入学共通テスト。

従来は新型コロナウイルスの濃厚接触者に認定された受験生には、一定の条件を満たせば別室受験を認める対応を取ってきた。

文部科学省は2021年12月24日、感染力が強い「オミクロン株」の濃厚接触者に認定された受験生にはこれまでの扱いを変え、無症状でも別室受験を認めず、追試験などで対応すると一度公表した。しかし批判を受け、末松信介文部科学大臣は2021年12月27日の記者会見で方針を撤回し、オミクロン株の濃厚接触者に認定された受験生にもほかの濃厚接触者認定の受験生と同様、無症状で一定の条件を満たせば別室受験を認める方針を改めて公表した。

経過


2020年初頭より問題化している新型コロナウイルス問題への対応として、大学受験に臨む受験生が新型コロナウイルスの濃厚接触者に認定された場合、(1)PCR検査などで陰性、(2)試験当日も無症状、(3)公共交通機関を利用しない、(4)別室で受験、の4条件を満たせば、大学入学共通テストの受験を認めることにしていた。

2021年12月に日本にも入っていた突然変異株「オミクロン株」は感染力が強いとされたことから、同株については従来より踏み込んだ対応が必要だと判断され、2021年12月24日の文科省の方針発表に至った。

しかしその一方で、受験生の機会を奪うことになり強い負担につながると不安視する指摘が出た。さらには、このような措置をとることで、受験生が濃厚接触者となった事実を隠して受験を強行して余計に悪い方向になってしまう事例が生じてしまうことにもつながりかねない、という懸念も指摘された。

これらの受験生や市民の批判や懸念の声が上がったこともあり、岸田文雄首相は文部科学省に対して方針の再検討を求め、文科省内での検討の結果、方針が撤回されるに至った。

感染を広げないための対策というのは極めて重要であり、決して否定できないことではある。その一方で、受験生に対して必要以上の負担や不安感を与えるようなことになってはいけない。そのバランスを考えると、文科省が当初出していた方針を変更したことは、落ち着くべきところに落ち着いたのかなという印象も受ける。