北海道旭川市立中学校2年だった女子生徒がいじめを受けて2021年2月に行方不明になり、同年3月に雪の下から凍死体で見つかった事件で、北海道教育委員会が2度にわたり「いじめの疑いがある」として旭川市教育委員会に再調査を指導したものの、旭川市教委が放置していたことがわかった。

事件の経過


生徒は2019年4月に旭川市立中学校に入学し、同校の上級生や他校の生徒とつながりができた。しかしそのグループからいじめを受け、2019年6月には加害者グループから迫られる形で川の中に入り込む自殺未遂事案を起こした。生徒は旭川市内の別の中学校に転校したが、精神的に不安定な状態が続き、転校先の学校にはほとんど通えない状態になっていた。

学校や旭川市教委は、生徒への行為をいじめだとは認定せず、トラブルはあったがいじめはなかったとする対応に終始した。しかし事案を把握した北海道教育委員会は2019年10月、「客観的にいじめが疑われる」と判断し、旭川市教委に再調査を指導した。しかし市教委は放置していた。

生徒の母親が2020年1月、北海道教委の関連機関に対して「子どもがいじめを受けた。学校がいじめを認めない。対応にも納得がいかない」などとしていじめを相談した。道教委は母親の相談を受け、旭川市教委に対して当該事案を照会した上で、いじめとして再調査をおこなうように再び指導をおこなった。しかし旭川市教委は「当該生徒の事案についてはトラブルとして把握しているものの、いじめだとは認識していない」という対応を変えず、このときの指導も放置したことが指摘された。

http://kyouiku.starfree.jp/d/post-10696/

対応がまずいことに


この間の経過は、報道などで明らかになっている情報では、学校側の対応が「後手に回っている」なんてものではなく、隠蔽を図っているのではないかとすら感じるようなものとなっている。

いじめだと疑われる状況なのに、学校や旭川市教委が放置を続けたこと。被害者のお訴えを無視し、事情を把握した北海道教委からの指導も放置したこと。こういうことがなければ、最悪の状況を未然に防げたのかもしれず、その後の展開も変わっていたのかもしれない。
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