熊本家八代市の私立秀岳館高校のサッカー部で、入学予定だった生徒が上級生から暴行を受け入学を辞退し、進路が宙に浮いている問題で、熊本県などが対応を検討していることが報じられている。

この生徒はスポーツ推薦で秀岳館高校への入学を決め、2022年3月にサッカー部の寮に入寮し練習に参加していた。しかし2022年3月下旬、寮内で食事の配膳作業をおこなっていた際、上級生部員からいきなり言いがかりをつけられて暴行を受けるなどしたことで、自宅に帰って入学を辞退することを決めた。

被害生徒の保護者は警察に被害届を出したが、サッカー部の監督は「子ども同士がじゃれていただけ。警察に届けを出されるのは気分が悪い」などと保護者に話したという。

生徒は入学しなかった扱いとなり、ほかの高校に転校できない状態となり、2022年4月以降は進路が宙に浮いて自宅待機状態となっているという。

熊本県私学課は「秀岳館高校が一旦入学を認めた上で他校に転学させる方法は考えられる。私立高校なので、学校と保護者側が話し合ってほしい」「生徒が進学できない状態になっていることは、どうにかしなければいけないという思いはある。法令上、県がどこまで関与できるかわからないが、対応を検討する」などとする見解を出している。

蒲島郁夫・熊本県知事は2022年5月10日、「生徒のためにあらゆる可能性を追求したい」とする見解を出し、県としても生徒の進学への支援を検討する考えを示している。

暴力事件そのものも問題であるし、生徒の学ぶ権利が侵害されているというのも重大な問題になっている。可能な限りの対策を取ってほしいと願う。
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