滋賀県守山市立中学校2年だった男子生徒が2017年11月に学校内で自殺した事案で、「第三者委員会の調査報告書で、家庭での『ネグレクト』が自殺の原因かのように読み取れるような記述があり、不十分な調査で遺族の尊厳が傷つけられた」として、遺族が守山市を相手取り、200万円の損害賠償を求めて民事訴訟を提訴する方針を決めたと、2022年10月27日の毎日新聞(ウェブ版)で報じられている。

第三者委員会の報告書は2019年6月に遺族に手渡されたが、公表はされていないという。

事件の経過


生徒は2017年11月29日、帰宅後に行方がわからなくなった。日付が変わった翌11月30日午前2時半頃に、学校関係者が、校内で倒れている生徒を発見した。119番通報したがその場で死亡が確認された。校舎から飛び降りたとみられている。遺書などはなかった。

守山市教委は事故発生直後に第三者委員会を設置し、調査にあたった。

毎日新聞が報じた内容


毎日新聞が報じた内容によると、第三者委員会は、この生徒は一部の生徒から付けられたあだ名を嫌がっていたことなどを指摘し「いじめ」だと判断した。一方で自殺の原因は「不明」だと結論づけた。

その際に、生徒の両親が共働きで、近くに住む祖父母も生徒の世話を手伝っていたこともあったことや、母親が「会話がないから子どものことが分からない」と発言したと記載されたことなど、「ネグレクト」かのような印象を与える記述があったとしている。自殺原因を「不明」としながらも、家庭環境に問題があったかのようにも読み取れるとも指摘しているという。

家族側は、報告書での家庭の様子の描写は事実とは異なる、また母親の発言も「死亡原因に心当たりがあるかと聞かれて『わからない』と答えたことはある。しかし、報告書で記されたような発言をしたことはない」と申し入れ、修正を求めていた。しかし市側が修正に応じなかったとして、提訴を決めたとしている。

遺族側の心情に立った対応を


詳細な事実関係については報道の範囲でしかわからない。とはいえども、一般的にいえば、遺族を傷つけ、二次被害を与えるような形になってしまっているのならば、あってはいけないことである。

背景にいじめがあったともされる事案である。死亡の原因を「不明」としながらも、その一方で家庭に責任転嫁するのなら不適切ではないかとも思える。
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