兵庫県尼崎市長選挙が、2022年11月13日告示・11月20日投開票で実施される予定となっている。

市長選挙に先立ち、尼崎市立尼崎高校1年の生徒代表が、市長選挙出馬予定者と意見交換する「高校生ミーティング」が、2022年10月25日に同校で開催された。

概要は『神戸新聞』2022年10月29日(ウェブ版)で報じられている。

https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/202210/0015762902.shtml

https://www.youtube.com/watch?v=KPTPbjCAkrY

同校では1年の「公共」の授業で尼崎市についての学びを深めてきた。市長選挙を前に、学んだことを予定候補者に質問する形式で、同校の協力のもとで神戸新聞社が主催した。

市長選挙に立候補を表明している、維新の新人・大原隼人氏と、今期限りで引退する現職市長の後継を目指す無所属新人・松本真氏が出席し、神戸新聞記者の司会進行のもとで、高校生代表からの質問に答えた。

高校生から、いじめや「体罰」に関する質問があった。市立尼崎高校では近年、悪質ないじめ事件や「体罰」事件が相次いで発覚して問題になり、再発防止の取り組みが学校ぐるみで進められている。

元尼崎市教育長の松本氏は、自身の教育長在任中に発覚した事件でもあることから当時の事件を陳謝した上で、「『体罰』はいけない」「いじめはなくならないが、いじめを相談できる環境、誰でも声を上げられる学校文化をつくりたい」とする見解を示した。一方で、保育所などを経営する維新・大原氏は「体罰」について「愛なのか暴力なのか、みなさん自身が考えてほしい。答えは一つじゃないと思う」という見解を示した。

候補者の見解を、高校生はどう受け止めたのだろうか。個人的には、維新の予定候補者が暴力・いわゆる「体罰」について毅然とした対応を取っていない、容認するとも受け取れるような見解を示したことが気になっている。

また高校生からの質問では、「尼崎市は治安が悪いというイメージが付いてしまっている。尼崎市のイメージアップにはどうしたいか」というものがあった。

これに対しては、維新の大原氏は「大阪万博会場(大阪市・夢洲)と尼崎をロープウェーで結びたい」、無所属の松本氏は「犯罪を起こしにくい街を作る」と回答した。

「ロープウェイ」が突拍子なさすぎて、新聞記事に触れたネット上の反応では失笑を呼んでいる様子。それはともかく、高校生はどう感じただろうか。

各候補者の主張の中身を高校生がどのように自分自身で受け止め考えていくか。主権者教育の一環としても、高校生にとってもよい機会だったのではないかとも思われる。
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