東京都で中学校3年の生徒を対象に2022年11月に実施した「英語スピーキングテスト」(ESAT-J=English Speaking Achievement Test for Junior High School Students)。このテストについては試験運営や採点方法などに大きな疑問が出ている。

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同テストの結果は2023年1月12日に公表され、受験者のもとに返送された。これらの状況を踏まえ、2023年1月30日、「英語スピーキングテスト」を疑問視している3市民団体が合同で、テストの結果を都立高校入試の成績として反映させないように求めた。

「英語スピーキングテスト」ではさまざまな問題点が指摘され、試験運営方法での問題点や、成績判定が公正におこなえるかどうかについても疑問視されている。結果はA~Eの5段階評価で返却されるが、評価を20点満点の点数に換算した上で、当日の学力試験の結果と、調査書の評定(いわゆる内申点)に加算する形で都立高校入試の合否判定に使用するとしている。

このテストについては、英語・英語教育や教育学などの研究者、保護者、教育関係者など、さまざまな立場から批判が出ている。批判の論点も多岐にわたっている。

当日の要請では、団体が当事者の生徒から集めた声として、「当日全く話せなかったクラスメートが、録音機器に周囲の声が入っていたため、B判定(点数換算で満点の8割)とされた」などとする声が寄せられたとして、試験結果の公正性が疑問視されているなどと訴えた。スピーキングテストの採点基準を情報公開し、それができない場合は入試点数として反映させるべきではないと訴えた。

また要請では、当日の状況を再現した実証実験をおこなって問題点を検証することも求めた。

英語スピーキングテストについては、実施前から、また実施当日から疑問視する声が寄せられている。「こんなことありえない」レベルの、テスト運営としては極めて異常な事態が起きている形になっている。こんなものを高校入試の合否判定に使用されると、まずいというだけではすまされない。

少なくとも今年度については、受験生にかかる緊急の対応として、入試の合否判定に使用することは中止すべきである。

また長期的な問題としては、問題点の検証をおこない、テストそのものの中止も視野に入れる必要がある。
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