学校での「防寒具着用禁止」の校則。この校則をめぐり、広島市立中学校で起きた事案が、NHKニュースで報じられている。

NHK(ウェブ版)ニュース・2023年2月8日配信『寒い日でもジャンパー着て登校 「校則」で認めず 広島の中学校』。

この記事では、「10年に1度あるかどうか」ともいわれるレベルの超強力な寒波が日本列島に襲来した2023年1月25日に、広島市の中学校で起きた事案を紹介している。

この日の広島市の気温は、気象台の観測地点で、最低気温が氷点下4.2度、最高気温は3.1度と、異例の低温となっていた。雪も強まり、積もっている状態だった。

同市安佐北区の中学校に通う2年の男子生徒は、この日の朝、ジャンパーを着用して登校した。しかし校門で教員に呼び止められ、ジャンパーやコート類の着用は「生徒指導規程」に抵触するとして注意を受けた。生徒はジャンパーを脱ぎ、帰りもジャンパーを着用せずに帰宅した。

生徒は翌日発熱し、回復するまで数日間欠席したという。

記事によると、学校側は「校則は時代や状況に応じて見直されていくもの」と言及した一方で、「決められたルールは子どもの安全や安心のために守る必要がある」「現時点では、病気などの特別の場合を除き、防寒着を着用しなくても対応できると考えている」とコメントしたという。

しかしながら、このケースでは、校則によって子どもの安全や安心を脅かしてしまっていることになっている。低温の日に防寒具を着用せずに行動していたことと、翌日の発熱との間には、因果関係を疑ってもおかしくない案件ではある。

時代や状況に応じて見直していくべきものというのなら、防寒具禁止の校則についても見直すべきではないかと考えられる。そもそもの話として、防寒具禁止が何のために規定されているのか、合理的な理由を見いだすのは難しい。「昔からそうなっていたから、理由がわからないまま、そのまま継続している」というだけではないかとも思われる。

当該校だけでなく全国の学校で、不合理な校則の見直しが進むことを願う。
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