毎日新聞2023年3月7日付(ウェブ版)に『「定員内不合格出さないで」 重い障害のある受験生の保護者が訴え』という記事が掲載されている。

千葉県在住の重い障がいを持つ女性について、2019年度の中学校卒業後、最寄りの千葉県立高校への進学を希望したが、定員割れしているにもかかわらず4年間不合格にされ続けているとして、保護者が千葉県教育委員会に対して「定員内不合格を出さないで」と訴える記者会見をおこなったという記事。

保護者は「学ぶ意欲のある人の権利が奪われている」などと訴えている。

一方で千葉県教育委員会は「各校長が学力検査や調査表などに基づき、能力・適性を総合的に判定した結果だ」としているという。

障がいを持つ生徒の高校入学については、一般の生徒と同様、学力検査の結果や対応する設備などを踏まえて、総合的に判断されるべきではあろう。また行政の側も、設備や人員などが受け入れの支障になっているのならば、できるだけ可能な対応を取ることが望ましい。

本人の置かれている状況や希望をていねいに判断した上で、行政は受け入れ体制など可能な状況を作り出すことを検討していくことが、一般的にいえば重要だとも思われる。

その一方で、現状では、必ずしもすべての高校でそのような状況ができるわけではない。特別支援学校での受け入れの選択肢もあるし、また高校でも対応できる学校は一部に限られているという実情もある。場合によっては、普通学校に入れることで、逆に適切な対応がなされずに放置される状況など好ましくないことを生み出すことにもなりかねないという状況も考えられる。

難しい課題ではあるが、ていねいな対応を検討していくことが必要であるとも思われる。
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