新型コロナウイルスの影響でおこなった自宅勤務が認められず、欠勤扱いにされて給与を減らされたのは不当だとして、大阪市立中学校の元教諭(退職)が大阪市に対して、減額分の給与相当額と慰謝料のあわせて約140万円の支払いを求めた訴訟で、大阪地裁は2023年5月18日、市の行為の違法性を認めて市に約9万4000円の損害賠償を命じる判決を出した。
報道によると、当該教諭は2020年3月中旬、教職員組合の活動で海外に渡航した。帰国後勤務校に対して、新型コロナウイルスの感染拡大という当時の情勢を踏まえ、また政府が帰国者への2週間の自宅待機を求めていたことを踏まえ、帰国直後の3月19日から31日までの自宅待機・自宅勤務を申し出た。
校長は当初は教諭の申し出を受諾する方向で調整し、教諭は自宅勤務扱いになった。しかしその後、大阪市教育委員会から「出勤すべき」という指導が来たとして、当初の対応を取り消した。そのため、教諭は欠勤扱いとされ、その分の給与が減額されたとしている。
判決では、2020年3月24日に大阪市教委から教諭に出勤命令を出したと認定した。その上で、新型コロナ拡大感染が懸念される情勢だったこと、大阪市が同時期、海外から帰国した職員には2週間の特別休暇を与えていたことなどを考慮し、大阪市が過去の通達で「自宅を研修場所とすることは認められない」としたことを根拠におこなった当該教諭への対応は「社会通念上、著しく妥当性を欠く」と判断した。
新型コロナへの対応は、当時手探りだった状況もある。一方で感染拡大のために、海外からの帰国者への一定期間の外出自粛などが求められていたことなどを踏まえて、慎重な対応をおこなっていたという背景もある。大阪市の対応は、それらの社会状況を踏まえていなかったのではなかったのかと判断されてもおかしくないものであり、そのことが一部是正される判決となったのは、喜ばしいことである。
報道によると、当該教諭は2020年3月中旬、教職員組合の活動で海外に渡航した。帰国後勤務校に対して、新型コロナウイルスの感染拡大という当時の情勢を踏まえ、また政府が帰国者への2週間の自宅待機を求めていたことを踏まえ、帰国直後の3月19日から31日までの自宅待機・自宅勤務を申し出た。
校長は当初は教諭の申し出を受諾する方向で調整し、教諭は自宅勤務扱いになった。しかしその後、大阪市教育委員会から「出勤すべき」という指導が来たとして、当初の対応を取り消した。そのため、教諭は欠勤扱いとされ、その分の給与が減額されたとしている。
判決では、2020年3月24日に大阪市教委から教諭に出勤命令を出したと認定した。その上で、新型コロナ拡大感染が懸念される情勢だったこと、大阪市が同時期、海外から帰国した職員には2週間の特別休暇を与えていたことなどを考慮し、大阪市が過去の通達で「自宅を研修場所とすることは認められない」としたことを根拠におこなった当該教諭への対応は「社会通念上、著しく妥当性を欠く」と判断した。
新型コロナへの対応は、当時手探りだった状況もある。一方で感染拡大のために、海外からの帰国者への一定期間の外出自粛などが求められていたことなどを踏まえて、慎重な対応をおこなっていたという背景もある。大阪市の対応は、それらの社会状況を踏まえていなかったのではなかったのかと判断されてもおかしくないものであり、そのことが一部是正される判決となったのは、喜ばしいことである。