森友学園問題について、3月29日の「報道ステーション」が大阪府の学校設置認可の問題について放送した。

 放送では、大阪府私学審議会の当時の委員が取材に応じたものの、「松井知事と維新の報復が怖い」と言及した。その上で委員は「怪しいと思ったが調査する権限はなかった」と話した。

 一方で松井一郎大阪府知事(維新代表)は3月29日の記者会見で、「(規制緩和で)私学に入ってもらうのが橋下知事時代の方向性」「トップが思う方向性に対して、それを慮って仕事を進めるのが当然」などと話した。

 維新は、橋下徹や松井をはじめとして、地方議員から狂信的な支持者に至るまで、気に入らないことがあるとすぐに恫喝して圧力をかけるような集団である。維新の恫喝・圧力体質は、これまでもあちこちで問題になっている。

 維新関係者の恫喝・暴力・嫌がらせの実例を列記すると膨大になるが、森友学園問題に関連するものだけとってもいくつもある。

 2017年3月、森友学園問題を取材しているフリーライターに対し、松井知事が維新代表の立場で、代理人の「弁護士法人橋下綜合法律事務所」(橋下徹の弁護士事務所)を通じて、恫喝するような内容証明郵便を送りつけたことが明らかになっている。当該のライターは、「こんなのが脅しになっていると思っているのか」と一笑に付すような形で、ネット上に松井知事・橋下事務所から送付された「脅迫」文書をアップしている。

 また2012年2月には、森友学園が運営する塚本幼稚園に隣接する公園で、大阪市が公園緑化を計画すると、そのことに塚本幼稚園側が不満を述べ、大阪市の公園事務所の担当者が幼稚園に出向いて説明をおこなった。公園をめぐっては、幼稚園がグラウンド代わりに日常的に使用していると近隣住民から不満が出された背景もあったという。担当者が説明している際、維新の村上栄二大阪市議(当時)・市位謙太大阪市議の2人が同席し、担当者を恫喝する対応をおこなった。村上はその際、恫喝したことを得意げに自らのブログに記載していた。

 ほかにも、橋下をはじめとした維新の関係者は、取材の際に自分たちにとって不都合な指摘を受けるなどすると、取材記者個人への執拗な個人攻撃を含めた対応をするなど異常な行為を繰り返し、マスコミ・特に在阪マスコミは萎縮する状況が続いてきた。

 森友学園問題に関しては、行政の手続きとして通常ありえないような元々の不可解な対応に加えて、維新の犯罪的な恫喝体質によって不可解な対応に声を上げにくい状態にされたという大阪府特有の事情で、問題をさらにこじらせたような形になっている。

 私学審委員への取材内容と、松井知事の一連の対応を突き合わせれば、最終的には松井知事や橋下前知事につながる維新の圧力があった可能性が高いということになるのではないか。
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集